2009.01.16
2008.11.02
劔岳 〈点の記〉
新田次郎
文春文庫(に-1-23)
1981年発行
私の好きな本ベスト10

装幀:速永悦郎
起結:東の空高く日暈が出ていた。…………山々は黄葉に染まっていた。紅葉より黄葉のまさった山々の静寂の中に、嵐を予告するかのように、片雲が速い速度で通り過ぎて行った。
感想:先日TV番組「情熱大陸」で、本書の映画を監督する木村大作のドキュメンタリーがあり、また読みたくなって本棚から引っ張り出しました。
この「劔岳点の記」は、日露戦争当時、前人未踏と言われた立山劔岳に挑む測量官を取り上げた小説で、点の記とは、国土地理院に保管されている三角点設定の記録資料のことを言います。
新田作品には、大自然である山岳地に惹かれ挑んでいく人々をテーマにした小説が多く見られます。私は、これまで新田作品として、「強力伝・孤島」「孤高の人」「アラスカ物語」「栄光の岩壁」「八甲田山死の彷徨」「槍ヶ岳開山」を読んでますが、本書が最も好きです。
10月は読書の秋ということで、かなり小説読みました。前回紹介した「容疑者Xの献身」から、「香乱記(宮城谷昌光)」全4巻→「のぼうの城(和田竜)」→「知っておきたい日本の神様(武光誠)」→「魔王(伊坂幸太郎)」→「蟹工船・党生活者(小林多喜二)」→「その日の前に(重松清)」→「寝ぼけ署長(山本周五郎)」→「軀からだ(乃南アサ)」→「国家の品格(藤原正彦)」→「理由(宮部みゆき)」→「チーム・バチスタの栄光(海堂尊)」全2巻→「ナイチンゲールの沈黙(海堂尊)」全2巻→そして「本書」を読みました。振り返ってみると、少し読みすぎですな。18冊だから、ほぼ1.5日1冊ペースで読んでたことになります。専門書を読むのをサボってる証拠です。
ちなみに、「国家の品格」の著者である藤原正彦の父上が、この新田次郎らしいです。
2008.09.17
容疑者xの献身
東野圭吾
文春文庫(ひ-13-7)
2005年(単行本)発行
直木賞第134回(文藝春秋社主催)受賞
私の好きな本ベスト10

装幀:石崎健太郎
起結:午前七時三十五分、石神はいつものようにアパートを出た。…………石神の叫びは続いた。魂を吐き出しているように草薙は見えた
感想:ずーっと読みたかった本でした。文庫本がいつ出るだろうとずっと待ってて、店頭で強烈なインパクトを放つ装幀のこの本を発見して即買いでした。期待通り!こんな読み応えのある推理小説は久しぶりです。不器用かつ強烈な彼女への想いを秘めた「石神」の、その想いが偏屈しつつあると思いきや…。ごめん、僕の勘違いでした。
東野圭吾作品は、「手紙」「レイクサイド」「悪意」「名探偵の掟」「私が彼を殺した」「探偵ガリレオ」「予知夢」を読んでいて、今イチ相性が良くないなと思っていたのですが、これは文句なしに素晴らしかった。
ちなみに、この夏に読んだ小説は、「ビタミンF(重松清)」→「クライマーズ・ハイ(横山秀夫)」→「明日の記憶(荻原浩)」→「誰か(宮部みゆき)」→「天切り松第4巻(浅田次郎)」→「プラナリア(山本文緒)」→「死神の精度(伊坂幸太郎)」→「坂の上の雲全八巻(司馬遼太郎)」※5回目ぐらい→「西の魔女が死んだ(梨木香歩)」→「残照(今野敏)」→そして「本書」に行き着く。どれも良かったが、本書が夏のベストかな。
2008.08.29
坂の上の雲
(一巻~八巻)
司馬遼太郎
文春文庫(し-176~)
1968年発行
私の好きな本ベスト10

起結:まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている。その列島の中の一つの島が四国であり、四国は、讃岐、阿波、土佐、伊予にわかれている。伊予の首邑は松山。城は、松山城という。…………臨終近くなったとき、「鉄嶺」という地名がしきりに出た。やがて、「奉天へ。-」と、うめくように叫び、昭和五年十一月四日午後七時十分に没した。
感想:言わずと知れた司馬遼太郎を代表する長編小説です。いや、我が国を代表する歴史小説といった方が適切でしょうか。この「坂の上の雲」のファンは国内に非常に多いと思います。先日、この小説を読破しました。もう4~5回読んでます。日露戦争時代の秋山真之、秋山好古、正岡子規に焦点を当てた小説です。
・序盤は、正岡子規を中心に伊予松山のノホホンとした雰囲気が楽しい。
・中盤は、旅順攻撃で多大な犠牲を強いる乃木・伊地知にイライラし、
・終盤は、何と言ってもバルチック艦隊を迎え撃つ日本海軍に大興奮します。
最終巻の「敵艦見ゆ」の下りは、何度読んでもゾクゾクしてしまいます。司馬遼太郎の見方が一方的で、特に乃木・伊地知への見解・書きぶりは行きすぎている観もありますが、しかし、彼の膨大な情報処理に基づき描かれた文章は圧巻です。
そして、やはり「坂の上の雲」というタイトルも好きです。司馬遼太郎は「あとがき」でこう書いています。「……このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。やがてかれらは日露戦争というとほうもない大仕事にくびをつっこんでゆく。……(中略)……楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前のみを見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の雲の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。……」。このイメージは、この小説を初めて読んだ高校時代から鮮明に焼き付いています。
「坂の上の雲」は、NHKが大河ドラマとは別枠で、「21世紀スペシャル大河ドラマ」として放送の予定です。主演は、秋山真之が本木雅弘、秋山好古が阿部寛、正岡子規は香川照之です。キャスティングも絶妙で、特に香川照之の演技が期待できます。非常に楽しみです。
2008.07.10
雑誌「地図中心」小笠原特集
日本の地図をつくっている機関「(財)日本地図センター」では、月刊誌を発行しています。その名も「地図中心」。
今月7月は小笠原特集が組まれました。
地図中心7月号
「特集 海洋島・小笠原の自然」
~長い時が育む進化の実験室" ボニン・アイランド "世界自然遺産を目指して~
さあ、みなさん買ってみましょう!!
(私の知り合いで希望者は差し上げますが…)
2008.05.10
種の起原
少し時間がかかりましたが、チャールズ・ダーウィンの「種の起原」を読み終わりました。この「種の起原」は、イギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンによって、1859年に発刊され、生物の成り立ちを根本から覆す学説として、一大センセーショナルな脚光を浴びた書物です。読んでみて、びっくりしました。まさか、ここまでとは…。彼はこれに、Abstract(要約)とタイトルに付けたがったそうですが、とんでもない。発刊後に全世界から浴びるであろうあらゆる反論を想定した綿密な実験による検証が事細かに書かれています。すごいボリュームでした。
正式タイトルは下記です。
Charles Darwin
ON THE ORIGIN OF SPECIES
BY MEANS OF NATURAL SELECTION
OR THE PRESERVATION OF FAVOURED RACES
IN THE STRUGGLE FOR LIFE
1859
生物学などある程度分かっている私のような人間でさえ、非常に難解な論文でした。が、謂わんとすることは分かりました。でも、それは現代常識となっていることの素地があってこそであり、当時、「生物種」とは神が創造したと考えられていた時代にあって、これだけの論文を書いたダーウィンは正しく天才だと感じました。
ダーウィンは、この「種の起原」の中で
「自然選択 NATURAL SELECTION」
という考えを表しました。下記は非常に分かりやすくまとまっていた文章の抜粋です。
……もしも自然のもとで変異性とある強力な原因とが常に作用し選択しうる状態にあるとすれば、生物にとり何らかの点で有用な変異が、極度に複雑な生活の諸関係の元で、保存され、集積され、遺伝されるということを、どうして疑うことが出来るであろうか。人間は自分にとって最も役に立つ変異を辛抱強く選択することが出来るのに、自然は、変化する生活条件のもとで、自分のつくり出した生きた産物にとって有用な変異を選択できないはずはないではないか。長期間にわたって作用し、それぞれの生物の体質、構造、習性の全体を厳重に吟味し、良きをとり悪しきを捨てるこの力に、どんな制限を付しうるであろうか。それぞれの生物を極めて複雑な生活関係に対し徐々にまた見事に適応させていくこの力に、制限があるなどとは、私には考えられない。これ以上のことはもはや調べてみないでも、自然選択説は本質において正しくあり得るものと私には思われる……
それでも分かりにくいので、私なりに、ダーウィンの自然選択説をまとめてみます。簡潔に説明するとこうです。
「生物種とは、神が一つ一つ創造した物だと考えられていた時代に、ダーウィンは生物種とは、動物は4~5種のわずかな祖先から、植物はもっと少数の祖先から枝分かれしたものであると定義しました。それは自然選択(淘汰)を原因とします。自然選択とは、生物が、自然の中で、他の生物との関係や気象・餌などその時々の変わり得る自然条件に適応しようとして、より有利な変異が個体に生じた時に、その有利な変異を選択し保存し、それが集積され、遺伝されていくことで、次第に異なる生物へと、気の遠くなる時間をかけて、枝分かれしていくことです。その結果、はじめは数種からスタートした生物種は、40億年という歴史を経て、現在3,000万種とも言われる生物種が息づくようになりました。」分かりましたでしょうか。
最後に、ダーウィンは、こう締めくくっています。まったく同感です。感服しました。
……生命はそのあまたの力とともに、最初わずかのものあるいはただ一個のものに、吹き込まれたとするこの見方、そして、この惑星が確固たる重力法則に従って回転する間に、かくも単純な発端から極めて美しく極めて驚嘆すべき無限の形態が生じ、いまも生じつつあるというこの見方の中には、壮大なものがある。【完】
2008.01.18
2008.01.10
星々の舟
村山由佳
文春文庫(む-13-1)
2006年発行
直木賞第129回(文藝春秋社主催)受賞

写真:林宗次
装丁:斎藤深雪
起結:受話器を置き、目をあげると夜明けだった。居間の窓へと歩み寄り、煙草に火をつける。…………足元でかさこそと渦巻く枯れ葉の音が、まるで、女たちの笑いさざめく声のように聞こえた。
感想:村山由佳の作品は、「天使の卵~エンジェルス・エッグ~」以来です。この作品は短編小説集で、「雪虫」「子どもの神様」「ひとりしずか」「青葉闇」「雲の雫」「名の木散る」の6編から成っています。短編それぞれが、一つの家族の一人一人の物語となっていて、それぞれが短編だけど、それぞれストーリーつながっています。強烈なストーリーだけど、どこかしら心が暖かくなります。
2007.11.10
チルドレン
伊坂幸太郎
講談社文庫(い-111-1)
2007年発行
直木賞第131回(文藝春秋社主催)ノミネート
私の好きな本ベスト10

装丁:鈴木成一デザイン室
装画:宗誠二郎
起結:子供の頃、自分はサッカー選手になるのだ、と鴨居は信じていた。…………歴史に残るような特別さはまるでなかったけれど、僕にはこれが、特別な時間なのだ、と分かった。この特別ができるだけ長く続けばいいな、と思う。甘いかな。
感想:はまりにはまった伊坂幸太郎作品の中で、最後に読んだ作品です(今後発刊される本は別として…)。そして、最も好きな作品になりました。5本の短編集ですが、同じ人物が登場してきます。すっごく心暖まる作品です。何よりキャラクターが見事に光っています。「陣内」。面白いやつだーー。あまりに気に入ったので、思わず妹に買ってあげて読めと勧めました。人に買ってあげて勧めるのは、「竜馬がゆく」「坂の上の雲」以来の3作品目です。いやー。是非とも読んでほしいです。
2007.11.09
2007.11.08
グラスホッパー
伊坂幸太郎
角川文庫(い-59-1)
平成19年発行
直木賞第132回(文藝春秋社主催)ノミネート

装丁:高柳雅人(角川書店装丁室)
起結:街を眺めながら鈴木は、昆虫のことを考えた。…………列車が通り抜けていくのを、鈴木はじっと眺めながら、「それにしてもこの列車、長くないか」と、亡き妻に向かってこっそりと言う。回送電車は、まだ通過している。
感想:3人のタイプの違う殺し屋が出てきます。これも、それぞれのストーリーが交錯します。読み終わった伊坂作品の中では、あまり好きな作品ではないかな…。
2007.11.07
ラッシュライフ
伊坂幸太郎
新潮文庫(い-69-2)
平成17年発行

装丁:三谷龍二
起結:志奈子が目を前に向けると、車両の自動ドアが開くところだった。ぷしゅう、と空気が漏れる音がする。…………豊田はエレベーターに足を進めながら、まだ出会っていない見知らぬ誰かが、城の屋上を歩いているところを想像する。 ラッシュライフ-豊潤な人生。
感想:多くのストーリーが同時多発的に進行して、それが絡み合ってくる。読みながら、私の大好きな映画「パルプ・フィクション(クエンティンタランティーノ監督作品)」に似ているなーーと思って読んでました。すると、最後の解説でも、そのようなことが書かれてあり、「やっぱりーーー」と思ってしまった。基本的に複数のストーリーを切り替えながら進めていくのは伊坂作品の特徴です。
2007.11.06
2007.11.05
重力ピエロ
伊坂幸太郎
新潮文庫(い-69-3)
平成18年発行
直木賞第129回(文藝春秋社主催)ノミネート

装丁:三谷龍二
起結:春が二階から落ちてきた。…………春が二階から落ちてきた。
感想:伊坂幸太郎に完全にはまった2作目です。起結の一文が全く一緒ですが、その「春」とは…。その説明は、冒頭の文章の「春が二階から落ちてきた。」の後に続いています。伊坂幸太郎の作品は、キャラクターが生きています。「アヒルと鴨のコインロッカー」では、「河崎」に入れ込んでしまいます。個性があって、一見クセがあって付き合いにくそうだけど心が暖かくなるキャラクターです。この「重力ピエロ」でも、兄弟の個性、特に弟の個性がキラリと光っています。
2007.11.04
アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎
創元推理文庫(い-4-1)
2006年発行
吉川英治文学新人賞第25回(講談社主催)受賞

装丁:岩郷重力
起結:腹を空かせて果物屋を襲う芸術家なら、まだ恰好がつくだろうが、僕はモデルガンを握って、書店を見張っていた。夜のせいか、頭が混乱しているせいか、罪の意識はない。…………ふと、そのことを思い出した。狭いコインロッカーの中で、自分のペースを崩さずに、延々と歌いつづける彼の声を思い出すと、愉快な気分になった。ボブ・ディランはまだ歌っているのだろうか?どうかな、河崎?僕は足元を見て、一歩ずつ、坂の終わりを目指すことにする。
感想:伊坂幸太郎に出会った作品です。伊坂幸太郎。久しぶりに完全にはまってしまいました。あまりに唐突な出だしと、カットバック形式による話の展開。うーん。すごい…。話は過去と現在の二つのストーリーが切り替えながら進んでいきます。はじめは二つの話には一人の外国人しか接点がないのが、だんだんと絡み合ってきて…。参りました。
2007.04.27
マークスの山
高村薫
講談社文庫(た-66-2,3)
平成15年発行
上・下巻
直木賞第109回(文藝春秋社主催)受賞

装丁:菊地信義
起結:この暗い壁は何だろう-。ぼくは目を見開き、上も下もない闇が割れるような音を立てているのを聞く。山だ。黒一色の山だ。…………手前にもその向こうにも何もない。天空に浮かぶ富士山一つの姿を、水沢は今、見ていた。
感想:高村薫を紹介したので、そのつながりで…。私は残念ながら高村薫の文章がすんなり入ってこない体質のようだ。ただ、ただ、この「マークスの山」は面白かった。すごく日を追っかけた文章に入り込めた。そして「真知子」という存在が妙に作品に暖かみを持たせてくれて印象に残ってる。
2007.04.18
郊外の社会学
-現代を生きる形-
若林幹夫:早稲田大学教授
ちくま新書(649)
平成19年発行

序章 郊外を生きるということ
第一章 虚構のような街
第二章 この立場なき場所
第三章 郊外を縦断する
第四章 住むことの神話と現実
第五章 演技する「ハコ」
第六章 郊外の終わり
感想:これまで「郊外」という地域・社会というものを特に意識したことがなかったが、確かに郊外、そしてそこに住まう人々ならではの特徴があることに気づかされた。「スペイン風とかウィーン風とかのライフスタイルを提案する家々」「競い合うクリスマス・イルミネーション」「出窓とレースカーテン、小人やウサギの置物、ガーデニング」。ふむふむ……。確かに首都圏郊外を見ていると当てはまることばかり。
ただ、昨今、人口減少に伴って都市の縮小・縮退が進んでいくと言われいる中、もう少し「将来の郊外とはこうあるべき」といった提案があればうれしかった。
まあ、それは都市計画家の仕事か…。
>>そうそう。松坂、残念!
2007.04.12
黄金を抱いて翔べ
高村薫
新潮文庫(た-53-1)
平成6年発行
日本推理サスペンス大賞第3回(日本テレビ主催)受賞

装丁:新潮社装幀室
起結:長い熱帯夜の後の、蒸風呂の夜明けだった。…………そうだ、モモさん。俺はあんたと、神の国の話がしたいと思う。あんたとは、心の話がしたいと思う。
感想:描写が非常に細かくて、黄金を強奪するクライマックスは楽しめた。アメリカドラマの「24」を文章で読んでるような印象。。だけど、序中盤は正直細かすぎて、うーーん…。気持ちがいまいち乗っていけなかったかな。
2007.04.11
深層大循環
日経エコロジーを見て…。
この地球上には「深層大循環」っていうものがあるそうだ。
地球の海を1,000~5,000年かけて1周している深層流で、大西洋のグリーンランドを起点にして、大きなスケールで海流が循環している。この循環によって、深層の海流が極地の冷たい水を南に運び、表層の海流が南の温かい水を北米やヨーロッパに運んでいる。このおかげで、北大西洋の北緯60度一帯でも人が住めるとのこと。
知らなかった…。
SF映画「デイ・アフター・トゥモロー」は、温暖化によってこの大循環している海流の流れが激変した結果、世界各地が異常気象に見舞われたという物語だったらしい。
お酒呑みながらビデオ見てたので、よく分かってなかった…。
しかし、それは現実になるかもしれないとのこと。CO2濃度が年率1%で増加した場合、「深層大循環は完全に停止しないが、2100年に3割程度弱まる」というのが研究者の共通した認識らしい…。
なんか、スケールが大きすぎて、恐ろしくなってきた。
2004.10.15
肉食は環境問題?
日経エコロジー2004.10を読んで‥
記事には、「肉食は重大な環境問題であり、
持続可能な食になり得ない」とあった。
1990年のブラウン大学の
「世界飢餓計画の推計に基づくと、
世界で収穫される穀物を‥‥‥
すべて菜食(家畜の餌にしない)すると60億人分の食糧になるが、
今のような肉食の食生活を基準にすると26億人分の食糧にしかならない。
つまり、世界人口が60億人を上回っている私たちは、
既に土地不足に陥っていることになる。
今は、不足分を漁業資源で供給したり、
多くの飢餓の人間を犠牲にした上で成り立っている。
それでは、なぜ肉食がいけないのか?(以下に要約)
1.牧草地や採草地を確保するために、森林を伐採すること。
2.自然草原へ家畜が入り込み、家畜の踏圧で自然草原が破壊されること。
3.貴重な利用可能な淡水の多くを、家畜に利用すること。
4.巨大な工場式の畜産場から、多量の排泄物が発生すること。
5.餌の化学肥料や、肉の処理・運搬に、多量のエネルギーを使用すること。
6.家畜自体から、温室効果ガスのメタン(CH4)が排出されること。
かつて学んだ「生態ピラミッド」を覚えているだろうか?
底辺の広い面積に生産者である「植物」、その上に「草食動物」‥‥、
一番上の頂点に最終消費者のワシタカや肉食哺乳動物がいる図である。
ピラミッドの上にいる家畜を養うためには、より多くの植物が必要になるのである。
家畜に食べさせるのではなく、
家畜より小さい私たち「人間」が、直接植物を食べたほうが効率的なのである。
物理学者のアルバート・アインシュタインは、
「この世の中には、菜食ほど人間の健康と生存の
可能性を増大させるものはないだろう」と述べている。
近い将来、私たちはタンパク質採取の基本を、
動物性にするか、植物性にするかの選択に迫られるだろう。







