
東野圭吾
文春文庫(ひ-13-7)
2005年(単行本)発行
直木賞第134回(文藝春秋社主催)受賞
装幀:石崎健太郎
起結:午前七時三十五分、石神はいつものようにアパートを出た。…………石神の叫びは続いた。魂を吐き出しているように草薙は見えた
感想:ずーっと読みたかった本でした。文庫本がいつ出るだろうとずっと待ってて、店頭で強烈なインパクトを放つ装幀のこの本を発見して即買いでした。期待通り!こんな読み応えのある推理小説は久しぶりです。不器用かつ強烈な彼女への想いを秘めた「石神」の、その想いが偏屈しつつあると思いきや…。ごめん、僕の勘違いでした。
東野圭吾作品は、「手紙」「レイクサイド」「悪意」「名探偵の掟」「私が彼を殺した」「探偵ガリレオ」「予知夢」を読んでいて、今イチ相性が良くないなと思っていたのですが、これは文句なしに素晴らしかった。
ちなみに、この夏に読んだ小説は、「ビタミンF(重松清)」→「クライマーズ・ハイ(横山秀夫)」→「明日の記憶(荻原浩)」→「誰か(宮部みゆき)」→「天切り松第4巻(浅田次郎)」→「プラナリア(山本文緒)」→「死神の精度(伊坂幸太郎)」→「坂の上の雲全八巻(司馬遼太郎)」※5回目ぐらい→「西の魔女が死んだ(梨木香歩)」→「残照(今野敏)」→そして「本書」に行き着く。どれも良かったが、本書が夏のベストかな。